3月議会 一般質問(新産業廃棄物最終処分場基本計画について)

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新産業廃棄物最終処分場基本計画について

3月8日、日立市議会3月議会で一般質問を行いました。以下、「新産業廃棄物最終処分場基本計画について」の質問と答弁を掲載します。

質問

先日、県道37号沿いで、南側が鮎川に面している地域である西成沢町3丁目にお住いの市民の方からお話を伺いました。「60年前ほど、鮎川の水があふれて、とても怖い思いをした。だから絶対に産廃処分場は反対よ」という強い意見でした。多量の雨によって、河川の水が増加し、あふれ出ること、すなわち「洪水」の心配を抱えながら現在暮らしていることがうかがえます。

そして、太平田鉱山跡地周辺の地形からみて、鮎川の洪水が起こるのか、起きたことが過去あるのか、という疑問がわきました。

基本計画策定委員会第4回の議事録を読みますと追加調査として、「水の流入、流出状況」が報告され審議されています。策定委員会では、処分場の「計画地は、降雨による水の流入があり、その一部が蒸発散や鮎川への排水によって流域外に流出していることを確認できております。」という報告がありました。審議のなかでは「最近、ゲリラ豪雨が来るので、今までの方法が本当に妥当なのかとか、連続性があるわけではないので、難しいだろうなと思うのです」、「もしここで施設をつくっていいということになって進んだら、所々、時々、こういう調査と分析をしていくということが大事なのではないかと思うのです」と話されています。

この議事録を読んで、「そもそも施設をつくっていい、良くない、と判断する前に、このような調査、分析をすべきでは?」と考え、検証がされていなかったことに驚きました。また、過去、洪水が起きたのか、起きてないのか、起きたとしたら、その後の対策が施されているか否か、ということも明らかにしておくべきと考えます。

基本計画は、埋立計画や遮水工、浸出水集排水施設、雨水集排水施設等の施設計画や、計画地の地質調査、地下水流動状況などの水文調査、維持管理計画などの章で構成されています。中には、詳細設計が進み、今後、明らかになる事項もあると考えます。そこで、

(1)    第4回までの基本計画策定委員会の受止め

2月6日、第4回の基本計画策定委員会が開催され、基本計画の案がまとめられました。第4回までを踏まえての、本市の受け止めを伺います。

御答弁をよろしくお願いします。

生活環境部長 答弁

私からは、質問の大きな3項目、「新産業廃棄物最終処分場基本計画について」の御質問に、お答えいたします。

第4回までの基本計画策定委員会の受止めでございます。新産業廃棄物最終処分場の基本計画につきましては、資源循環・廃棄物、土木・地盤工学の有識者などで構成する県の基本計画策定委員会におきまして、先月の第4回委員会をもって審議が終了し、先日、3月6日に県が市民報告会を開催したところでございます。基本計画は、埋立て施設をはじめ、浸出水処理施設、防災調整池、遮水工の構造や規模などについて、河川や周辺環境への影響なども含めた基本的事項に関し、慎重な審議が行われました。本市といたしましては、超安全な施設整備を最優先事項として、市民生活の安全安心が確保される基本計画となるよう、意見を述べてまいりました。また、各委員からも、市民等の皆様の視点に立ち、安全安心に関連した専門的なご意見がございましたので、施設整備や運営上の安全性については配慮されていることが概ね確認できたものと受け止めているところでございます。今後は、県及び事業主体である茨城県環境保全事業団において、基本設計、実施設計、施設の設置に係る手続きなどが予定されておりますので、本市といたしましては、設計などの各段階におきましても、引き続き安全安心の確保を求めてまいります。以上でございます。

千葉

基本計画の資料や議事録に、また、市民報告会に私も参加し説明を聞くと、「浸出水処理施設」と「雨水集排水施設」の規模の検討時に、確かに、2015年9月の関東・東北豪雨で大きな被害があった古河と奥日光の雨量が考慮されています。しかし、現地鮎川の、現在住んでいる方々が体験した災害は考慮されているのでしょうか?具体的には、今から75年前の1947年、昭和22年のカスリーン台風の被害です。

鮎川の洪水記録について、3月6日午後の市民報告会で市民の方が「鮎川の洪水写真がある。鮎川の洪水を考慮したのか?」と質問をしていました。新設道路整備事業費を支出してはならないと訴えた住民訴訟で、県側が証拠として法廷に提出し公となった資料に写真があり、拝見させてもらうと、写真の下に手書きで「昭和22年 キャサリン台風の被害跡がマザマザとあらわれている」「昭和22年”歴然たる水害の跡”」と記されています。

「この洪水を考慮したのか?」という質問に県は「当時と今は違うのではないか」と回答していました。しかし、「鮎川に向かって、処分場候補地の太平田鉱山跡地周辺からの水が合流する」という、地形上、水の流れが合流するポイントがあるのは当時と今も共通しています。

候補地周辺である唐津沢のことを考慮したのか?という観点で第4回の議事録を読んでみますと、処分場と不可分である新設道路の設計が済んでいないためか、県からは「新設道路の側溝で安全に排水ができるかどうかまでをお答えするのはまだ難しいのかなと思っております」、そして「道路設計を実施する中でしっかりと対応していきたいと考えている」といった発言が出されています。そのため、唐津沢で大雨が降った時に洪水は防げるのか?という観点が第4回で入ったように感じましたが、完成はされていないととらえました。

基本計画の検証について、6日報告会の午前中に市民から、「たった14人の委員で基本計画を立案して良いのか?検証の時間が必要だ」と質問していましたが、県は「第三者による検証は行わない。国が検証することもない」と回答していました。一方、策定委員からは「基本計画で説明が十分でないので今後もやるべきだ」とか「施設の外側でどれくらい排水できるかどうか」は「データが無いなかで全く分からないものもある」と回答する場面もありました。よって、作られた基本計画を完全な物としてとらえないように市民の目線で検証するのが、本市の役割と考えます。

本市は今までも検証を積み重ねてきていると推測します。その結果は「安全性などが概ね(おおむね)確認できたもの」とし、今後は「引き続き安全安心の確保を求める」と答弁がありました。検証を進めつつ、仮に、今後結ばれる予定の確認書の内容に合致していないと判断したならば、受諾を撤回することもある、という立場をはっきりさせて検証を行うよう要望して、一般質問を終わりにします。ご答弁ありがとうございました。

日立市議会映像配信-録画中継再生 (jfit.co.jp)